
大庄村役場:現、大庄公民館
阪神電鉄尼崎センタープール駅の西側の狭い北向き一方通行の道を北上すると、突如現れるこの建物。この建物を撮影するのに向った時、あまりに町に同化しているので見過ごしそうになりました。
その名の通り、この建物はかつて村役場でした。今では尼崎市の一部である、かつての大庄村は地場産業である鉄鋼産業で村が大発展したそうで、一般的にイメージする当時の木造の村役場とは全く違う華麗な建物を建設できるだけの資金があったようです。私の予想では昭和10年に完成、グランドオープンした「そごう大阪店」を見た村の役員達が感動し、その建物を設計した村野氏に直接依頼したのではないかと思われます。
建物本体は茶と濃紺の中間色という説明しにくい色が建物の大半を占拠し、装飾がグラフィック的に配置されています。この説明しにくい色は、同時期に山口県宇部市に完成した、「宇部市民会館」と極似しており、この時期の村野氏のお気に入りの色、スタイルであったと思われます。
建物内部に関しては、ほとんど改修、改装が施され、竣工当時の面影はほとんどありませんが、公民館になった今でも、ひっきりなしに人が訪れる人気施設となっています。私が撮影している間も多くの人の出入りがありました。
竣工 昭和13年 所在地 兵庫県尼崎市大庄西町3-6-14設計 村野建築事務所 施工 岡本工務店 構造 鉄筋コンクリート造3階、地下1階建 ![]()
宝塚カトリック教会
昼間、宝塚音楽学校の生徒が闊歩するのが日常の風景である、阪急今津線「宝塚南口駅」周辺。この駅から一方通行の道を進むと見えてくるこの建物。
ハイヒールをひっくり返したような独特の意匠の建物ですが、モルタル地のファサードが周りの住宅とうまく溶け込んで、意匠の奇抜さはそんなに目につかないというのが私の率直な第一印象でした。このサイトで「街の顔としての教会」というページを設けていますが、そのページで紹介しようと考えたぐらい、このあたりの顔となっている建物です。
この建物の撮影に訪れた時は、工事が行われており、「宝塚カトリック教会新築工事」とフェンスに案内が貼ってありました。
ただこの建物本体には重機が入っていなかったので、新館の増設かなと思いましたが、次訪れた時には、この建物は全く無くなっているのかもしれません。そういうことは建物探訪をしているとよくある事なので。
以上の理由で敷地に入る事が出来ず、満足なアングルでは撮影できなかったのが残念です。
竣工 昭和41年 所在地 兵庫県宝塚市南口1-7-7設計 村野籐吾、村野・森建築事務所 延床面積 418平方メートル ![]()
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西山記念会館
国道2号線と臨海線が分岐する「春日野」の交差点を見下ろすように建つこの建物。普段国道2号線から見る人には道路沿いに開けた「羽織り、ハッピ」を連想させる平面的な建物に見えるし、臨海線から見る人にも同じように見えます。しかしこの交差点は約45度に開いた三叉路なので、平面建築では同じに見えるはずありません。そうこの建物は三角形の土地に建てられた、三角形建築なのです。
建物本体は川崎製鉄の故西山彌太郎氏の功績を記念し建築されたもので、同氏の遺品などの展示スペースと、ホールが主な用途の建物です。
その主要部を中央に収めて、角エッジの部分には階段等の設備を配置する事でいびつな形の建物に使いやすさを与えています。
加えて意匠には三角の各角のエッジに見事なアールを効かせることにより、鋭角的な印象を払拭したのは見事な芸当だと思います。
村野の晩年に近い作品ですが、発想力の衰えは全く感じさせない作品です。
竣工 昭和50年 所在地 兵庫県神戸市中央区脇浜町3-4-16設計 村野籐吾、村野・森建築事務所 延床面積 6,379平方メートル ![]()
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