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Cool Biuldings along the Bayside Avenue





 

 



このページでは、かつて外国人居留地と呼ばれたエリアの南側を東西に走る、
海岸通沿いに立ち並ぶ美しい近代建築を紹介したいと思います。では通りを東側から歩いていきましょう。(上の写真は大阪商船神戸支店ビルの一階部のルスティカ仕上げの煉瓦に架けられた「海岸通」のプレート)

 




神戸税関

 




海岸通を少し南に入った場所に立つこの建物。

神戸以外の地からここを訪れ、この建物を見て、国の役所の建物だな、いや神戸の警察の庁舎だと思った人は、相当の建築通かこの建築と良く似た建物がかつて東京にあったということを知っている方でしょう。そうその建物は、旧警視庁庁舎(下写真)です。



この旧警視庁の庁舎は昭和6年の竣工、設計は大蔵省営繕課です。

神戸税関も同省が担当していますが、この建物のほうが警視庁より4年先輩になります。

しかし共に役所の建物ですが、大蔵省の管轄ではない役所の建物が、大蔵省完全仕切りで建てられたというのは、当時から国の予算をがっちりと握っていた役所だったのでしょうか?

ちなみに先日迄使用されていた、旧首相官邸(1929年、東京都千代田区永田町)も大蔵省が絡んでいます。

それよりも不思議なのは施工を広島市が請け負っていることです。何故?神戸市や近隣の大阪市なら合点が行くのですが、300キロ弱も離れた広島市が?加えて広島から各職人を連れて来たとなると、相当のコストが掛かるのは子供でも分かります。広島の職人にしか出来ないような技術がこの建物に盛り込まれているとは、建物を見る限りでは分かりません。この建物を紹介している建築の本を何冊かページをめくっても、その事に関する記載は一切ありませんでした。永遠に謎となりそうです。

旧警視庁の建物は随分前に刑事ドラマに頻繁に出てくる現在の建物に変わりましたが、この税関庁舎は幾度かの補修を重ね、戦災も阪神大震災も辛うじてくぐり抜け、この地に75年以上も鎮座しています。

昔の警視庁の建物が好きでなつかしい思いがしたい方、もしくは昔の警視庁の建物の極類似物件を見てみたい方は

ぜひ神戸

 

竣工 昭和2年(1927)  所在地 神戸市中央区新港町12

設計 大蔵省営繕課 施工 広島市 森田福市 

構造 鉄筋コンクリート4階建

 

 




E.H.BANK(旧チャータード銀行)




現在はレストランカフェとして使用されているこの建物、料理が美味しいというのもあるのでしょうが、昼間のカフェの時間でも、休日になると常に満員で、私は何度かお茶をしよう思って入店しましたが、待ち時間が相当になると、店の方に言われたので諦めました。ですからこの建物はいつも外から眺めるだけのものとなっています。


建物本体はこの時代よく見られるスタイルなのですが、設計者がJ.H.モーガンというのに注目です。彼の作品は横浜にはいくつか残っていますが、京阪神ではこの建物だけだと思います。

では何故横浜で活躍していた彼が神戸での建築案件に関わったかというと、正直分かりません。ただ想像するに、英国の銀行であるチャータード銀行の本店が横浜にあったするならば、答えは簡単です。本店の設計に参加したモーガンが施主である銀行から依頼を受けこの仕事を受けたという事でしょう。

旧三井財閥の各地の銀行設計に三井本館(東京都中央区)を設計したニューヨークのトローブリッジ&リビングストン事務所が参加しているのと事は同じです。

 


竣工
 昭和13年 所在地 神戸市中央区海岸通9

設計 Jay.Hill.Morgan 施工 大倉土木

構造 鉄筋コンクリート造4階建


 

  

 

 



  
大阪商船神戸支店

 




開国当時はこの居留地に事務所を構えることが企業にとってステイタスであったそうで、明治大正期、反映を極めた造船業の代表格、大阪商船がこの海岸通に立派な事務所を構えました。

神戸は、アメリカや欧州などへの長距離航路の船舶を持っていた同社としては、神戸港はその旅の発着点であったので、支店なのにこのような立派なオフィスにしたものと思われます。

建物本体は一階部を銀行のページでも紹介した「横浜正金銀行神戸支店」でも用いられているルスチカ仕上げのレンガを積み、2階部から6階部は縦目地を見せない2面切りのレンガを積み上げ、正面玄関の上部はコーニスとアチックを載せ建物を引き締めています。外観上の仕上げはアメリカンクラシックビルの系統を引き継ぐものだとされます。

それもそのはず設計者の渡辺節は、この建物設計のためアメリカに渡り、オフィスビルの意匠と構造、設備を徹底的に研究したそうで、この建物以降もオフィスビル設計の巨匠として活躍したのも、この海外研修が大いに役に立ったということでしょう。この時代建築家はその建物を設計するにあたって、施主に出資してもらって海外に遊学に行くというのが珍しい事ではなかったのですが、出資する会社の懐の深さにも感心しますが、他人の資金で遊学し、いろんなものを吸収した上で、それらをその後の仕事に十二分に活かすという建築家のしたたかさには脱帽です。いつの時代もどの業界でもこのしたたかさを持った人が、上に伸し上がっていくものなのだと改めて思いました。


この建物の設備で興味深いのは、各階に設けられたメールボックスです。このボックスにそれぞれの階から郵便物を入れると一階にある大きな郵便箱に落ちて集められ、それらを郵便局員が持ち帰るという単純な仕組みの物ですが、これはこのオフィスで働く人たちにも郵便局員にも大変合理的なものです。この合理性はアメリカだなぁーと思います。

現在では建物の一部が大丸神戸店のインテリア館として使用され、残りの部分は貸しオフィスとして使われています。このメールボックスは今でもエレベーター横に設置されていますが(下写真)郵便のほとんどがE-MAILで済む現在では投函数は激減したでしょう。



先日テレビでこの建物が紹介され、このビルを管理する男性がレポーターの女性を案内していましたが、先ほど挙げたエレベーターは凝った装飾を施したものなのですが、今ではほとんどお目にかかれない手動式で、きっちりと目的階に止めるのが至難の技らしく、現在ではこれを扱える人はその人を含めて三人しか居ないそうです。

加えてこのビルに使用されている照明などの消耗品は一点物なので、手に入らない部品は自分達で加工して使っているそうです。これだけでも厄介だなとも思いますが、そのことを語っている彼の目は輝いていました。手の掛かるものほど可愛いというところでしょうか。

 

 


竣工 
大正11年(1922) 所在地  神戸市中央区海岸通15

設計 渡辺節建築事務所 施工 大林組

構造 鉄骨鉄筋コンクリート7階建


 

 





郵船ビル(日本郵船神戸支店)




この建物は、現在大きなサイズの人用の服飾を扱うショップがテナントとして使用しています。


この建物の竣工した当時の船舶業界はとても景気が良かったようで、先に紹介した大阪商船ビル呵り、この日本郵船ビルも支店の割には、予算と手間の掛かった建物となっています。

この建物は正面玄関が海岸通沿いではなく、居留地のほうに入った東側に設置されています。

今でこそ交通量の多い海岸通になっていますが、大正時代は車もほとんどない時代ですから、海岸通りよりも、居留地に入るこの玄関のある通りのほうが商売上重要だったのであろうという事が垣間見れます。

ちなみに大阪商船ビルは写真でも分かるように、海岸通と入り込む筋の角に正面玄関を設けています。


竣工
 大正7年、昭和28年(改修) 所在地 神戸市中央区海岸通1-1

設計 曾弥中条建築事務所、安井建築事務所(改修) 施工 大阪橋本組

構造 鉄骨煉瓦造、鉄筋コンクリート造3階建


 





海岸ビル&海岸ビルヂング


    




この良く似た名前の2つの建物は同じ通りにあり、距離もわずかしか離れておらず、設計者も同一人物です。

少し違うのは、建築された年代ぐらいです。

海岸ビル(旧三井物産神戸支店)は大正7年、海岸ビルヂング(旧 日濠会館)は明治44年で、双方に8年の開きがありますが意匠的に直線的な意匠が特徴のセゼッション風が採用されています。これは設計者の河合浩蔵の得意なデザインだったのでしょう。

海岸ビルは震災後、ファサード保存した上に新しいビルを載せてしまうという保存法で第ニの人生を歩んでいます。

一方、兄に当たる海岸ビルヂングはほぼ当時のままの姿で残っており、中には雑貨を扱ったショップやレストランがテナントとしてはいっており、※神戸の海側の新たなスポットとなりました。建物の天井には幾何学的なステンドグラスが張られています。神戸の海側に建つこの建物なので青を基調としたものになっているのでしょう。地味な内部の意匠にインパクトが付いています。(下写真)



※この
海側という表現は神戸独特の物でしょう、神戸大丸百貨店の一階フロアーの天井には海側(南側)山側(北側)という表現の出口案内板があります。

下にあるように、この2つの建物は「国登録有形文化財」「神戸市景観形成重要建築」なのですが、海岸ビルの国登録有形文化財(下層部の旧建物部分のみ)には少し疑問を覚えます。

国登録有形文化財とは、築50年以上が経過し、建築当初の姿を残している建物がもらう称号なのに、この建物は、内部は解体され、上部には意図不明の建物が乗っけられ、河合が設計した本来の建物ではもはや無くなっています。ファサード保存であるこの物件の一部分に文化財の称号を与えてしまうと、他のファサード保存の物件の旧建物だけにその指定をするという「いびつな」ものにこの称号がなってしまします。

この建物のオーナーに告ぎます。「登録を抹消なさい!」


海岸ビル(旧三井物産神戸支店)

竣工 大正7年 所在地 神戸市中央区海岸通3

設計 河合浩蔵 施工 竹中工務店

構造 煉瓦、鉄筋コンクリート4階造


 


海岸ビルヂング(旧日濠会館)

竣工 明治44年 所在地 神戸市中央区海岸通3ー1

設計 河合浩蔵 施工 旗手組

構造 煉瓦3階建 建築面積 682平方メートル

  
 

 


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